れいじてんてーサッカー観戦記

サッカー観戦の感想とか。主にジェフユナイテッド市原千葉。

佐藤勇人引退会見を観て

ジェフユナイテッド市原千葉のバンディエラ、頼れる我らがキャプテンの佐藤勇人選手が今季限りでユニフォームを脱ぐことになりました。

たぶん、ユザワヤで作ったと思われるスーツを身に纏い、昨日(2019/10/16)フクアリのすぐそばにあるクラブハウスで引退会見を行いました。

バンディエラ、と言うのは本来1つのクラブだけで現役生活を全うする選手のことを指すのですが、勇人選手が会見でも述べているとおり2年間だけ京都サンガに居た時期がありました。まあ、オシム監督が代表に強奪されてしまったあの辺りのゴタゴタが原因のようです。直接名前は出しませんでしたが、会見の中でもオシム監督について言及してる箇所は幾つかありましたね。

そんなゴタゴタの中で京都に行ってる間にジェフはJ2落ちしてしまって勇人は慌ててジェフに帰ってきたようです。

そこから10年間奮闘したのですがついに2019シーズンでJ1昇格はおろか、残留も危ぶまれる順位になってしまって、ケジメとしてユニフォームを脱ぐことにした、とのことです。

僕は今年からサポっぽい感じになったので実感として知ってるわけではないのですが、ジェフはよそのサポーターから心配されるレベルで選手の入れ替わりの激しいチームです。チームの2/3がゴッソリ入れ替わってしまう年もありました。「実体のないチーム」などと言われる中、佐藤勇人だけがジェフの実体であろうとしてきたことは想像に難くありません。実際、長年サポーターをされてきた方は勇人を標としてジェフを応援してきたのではないでしょうか?

実際のプレーを観てても佐藤勇人と言う選手は常にピッチを走り回っています。比喩でも何でもなくホントに自陣ゴールラインから敵陣ゴールラインにまでいます。ボランチなのに。ピッチのどこかで数的不利が生じてたら何処からともなく悟空の瞬間移動のような速度で現れます。アタマの中で谷本先生の「ペース配分はしないで下さい! あと5分しかできませんよ!」と言う声が聞こえてくるかのようです。

1%でもゴールのチャンスが見えれば突拍子もないところからでも強烈なミドルシュートを放っていました。今季はそれがネットを揺らすことはなかったのですが、それを観たすべての人の心のゴールに突き刺さったのではないかと思います。

今季はJリーグが誇る伝説のストライカーであり、双子の兄弟である佐藤寿人選手も加入し、ジェフトップチームでは初の双子同時出場を果たすことができました。が、会見でも話していたとおりトップチームの高齢化を勇人はとても気にしていたようです。そう言えば34節岡山戦ではDAZNの実況で「千葉の平均年齢は……おっと30超えてるんですね」と言われていました。

引退会見ではしきりにジェフアカデミーの話をしていたのが印象的でした。今年(に限った話じゃないのかも知れませんが)のトップチームにはジェフアカデミー出身者は勇人、寿人、工藤浩平、鳥海晃司の4人しか居ません。期限付き移籍中の選手も含めればもう少しいますがまあまあ由々しき事態ではあるとは思います。

いわゆる「背中で語る」タイプの勇人は指導者になるつもりはないようです。(今年散々語ってきたはずなのに余りチームに伝わってなかったのは残念ですが……)

とは言え、ジェフのために一生を捧げたいと語っているので、おそらくジェフの会社には何らかの形で残るのだと思います。ピッチで駆け回る勇人を来年からは見られなくはなりますが、スタジアムやクラブハウスの何処かには居るんだなって思ったら、どんな形になってもジェフはジェフで居られる気がしています。

まあ、まずは20日千葉ダービー!を含めた残り6試合! しっかり勝ち点を伸ばして、無事J2残留して今季を終えられてから「お疲れさま」は言いたいと思います!

あともう少しだけ、頑張って下さい!!